日本には神社やお寺の神事・仏事として公の催事がある一方で、個人の催事も存在します。
個人の催事として行われることとしてお茶会やお茶事という世界が存在します。
地域には必ず茶道を嗜む人がおり、その人はその組織の地方組織に所属しています。
そして、そこには工藝作家やお菓子屋など様々な業者が出入りをして世界を作っています。
そんな世界の話を少し書きます。
茶道とは仏道のことなりけりと、千利休さんが言ったそうです。仏に使えるように客人に仕えることでおもてなしができるという意味でしょうか。
私の実家は福岡県太宰府市で和菓子屋を営んでいます。
和菓子屋と言うとおはぎや団子を思い浮かべる方が多いと思いますが、私の実家はお茶会やお茶事用のお菓子を作っています。
お茶会というと敷居が高いと言われる方が多いと思います。
実際に敷居は高いと思います。
何故ならお茶を嗜んでいる方にとって、お茶・茶道とは人生そのものであることが多いからです。
なので、私の実家の和菓子屋も鬼気迫る雰囲気の中でお菓子作りを営んでいます。
そして、いわばお客様と真剣勝負をしているので、父は今の顧客の方を大事にするために新規のお客様はあまりとらないようにしています。
メディア等の取材などはほとんどお断りしています。
しかし、例外もあります。それは茶道の家元の発行している冊子です。
裏千家の本は基本的に淡交社という会社が発行しているものが多いです。
今回、茶道裏千家の淡交テキストに実家のお菓子が掲載されました。
名前を載せると検索に載ってくるかもしれないので、書かないようにします・・
茶道には多くの流派がありますが、千利休の子孫が江戸初期に始めた表千家・裏千家・武者小路千家のいわゆる三千家が著名です。
戦後に急速に茶道人口は伸びます。それを牽引していたのも三千家です。
三千家は千利休が政治の世界で最後には切腹を命じられるということを経験しているため、武士だけの茶道という世界から一般の商人などにも茶道を教えることで江戸期以降の茶道の発展を作り上げます。
ちなみに私は父が表千家でお茶を習っていたので、私も表千家でお茶を習っています。
表千家は表千家会員に向けて同門という冊子を発行しています。
先日は同門の1月号にも実家のお菓子を取り上げていただきました。
茶道のおもしろさは、作法を一通り知った時から始まります。
つまり余裕ができるんですね。
そうすると見えてくるものが無限大にあります。
まずはお茶道具。掛軸から蓋置まで、自分の好みを探します。
探したものを集めてお茶会をやってみると、自分の表現したいことが見えてきます。
後に玄人になっていく人は、この自分の好みのお道具を探す場合でもテーマを設定して集めていることが多いです。
私は大久保利通や護良親王を始め多くの好きな偉人がいるため、その人たちをテーマに全国でお茶会をしたいなぁと思っています。