奈良でもっともコスモスが綺麗なお寺といえば般若寺です。
般若寺は奈良県庁から北へ25分ぐらい歩いた岡の上にあります。
今日、ふらっと寄ってみました。
実は奈良に住んで11年経ちますが、初めて訪れました。
南北朝時代、倒幕の旗揚げをした後醍醐天皇ですが、笠置山での戦いに破れて幕府に捕まります。
一方、後醍醐天皇の皇子護良親王は辛くも追ってから逃れ般若寺に潜みました。
笠置から般若寺まで車で30分ぐらいの距離です。
やがてすぐに般若寺にも追手が来ます。
護良親王は経堂においてあった3つの唐櫃の中に入り、難を逃れたと言われています。
ひとつの唐櫃は蓋が半分開いていました。
ふたつの唐櫃は蓋が締まっていました。
護良親王は半分開いている唐櫃の中に入り、経典の中に潜りこみます。
そこで神仏に祈ったと言われています。
追手は3つの唐櫃を見て、蓋の開いていない方の唐櫃の蓋をあけて中を確認しました。
しかし、どこにも誰もいなかったので、立ち去ったそうです。
護良親王は追手は戻ってくるかもしれないと、念の為、今度は蓋の締まっている方の唐櫃に入ったそうです。
案の定、追手は蓋の開いている方も調べてみようということで、戻ってきて調べましたが、中には誰もいませんでした。
そして追手は去って行ったと言われています。
護良親王はその後、吉野・熊野に行き、勢力をつけて、建武の新政まで戦い抜きます。
護良親王の業績をたたえた歌が何句か残っていました。
「般若寺は 端ぢかき寺 仇の手を のがれわびけむ 皇子しおもほゆ」 森鴎外
「般若櫃 うつろの秋の ふかさかな」 阿波野青畝
「大塔宮 在せし寺や 百日紅」 小牛
桜の時期なので、桜がとてもきれいに咲いていました。
奈良の桜は一般的に幕末の名奉行川路聖謨が何千本と植えたことで名所となっています。
それまでは奈良は桜はどうだったのでしょうか。
吉野山は古い時代から桜の名所だったそうなので、多くの人が桜を見て楽しんだでしょう。
護良親王の頃にはもう吉野は桜の名所であり、護良親王は蔵王堂の南側に桜の木を植えています。
護良親王がおそらく初めて奈良に滞在したのはこの般若寺だったのではないでしょうか。
そこで満開の桜を見ることができたので、とても良い気分になりました。
般若寺は復興のために手作りで花壇を作り直したりされているようです。
少ないですが寄付をしてきました。
奈良にお越しの方は是非、般若寺に足を運んでみてください。
そして寄付もお願いします。
般若寺 奈良市般若寺町221 拝観料金 大人500円 中高校生 200円 小学生100円
電話 0742-22-6287
アクセス
近鉄奈良駅から2番乗り場 青山住宅行 般若寺バス停 下車 徒歩3分
21番乗り場 州見台八丁目行 般若寺バス亭 下車 徒歩3分
徒歩では正直遠いので、バスか車をおすすめします。