日本には全国に多くの神社があります。
神社には参拝者が全国からお参りに訪れる神社から、地域の氏神神社まで多く存在します。
基本的には日本は農耕文化とその農耕を成功に導くための自然という神様の存在を大事にしてきました。
春には豊作祈願祭・秋には、豊作御礼祭とでもいうのでしょうか。
さて、ならまちには地域の氏神神社として御霊神社があります。
御霊神社は朝廷の権力争いに敗れ、御霊、つまり祟りを起こした方をお祀りしています。
御霊信仰とは、祟りを起こす強い霊力に町を守ってもらうことを指すそうです。
神社のお祭りといえば、春と秋の大祭です。
中でも秋は秋季大祭といわれ、10月に中旬の晴れ間の多い時期に行います。
ならまちでも御霊神社の秋季大祭は毎年10月13日に行われます。
そんなならまちの御霊神社の秋季大祭では前日に宵宮があります。
30年前、まだ日本の経済が調子のよかったころは、宵宮には50軒も60軒も屋台が出ていました。
それが、昨年、ついに1軒も出なくなりました。
そこで、私も所属しているならまちのまちづくり団体奈良町座が動きました。
奈良町座はもともと、御霊神社の秋季大祭に毎回約25名で参加しています。
前日の宵宮も自分たちで屋台を出そうじゃないかと企画しました。
企画の内容は、金魚すくい、みたらし団子、そして綿菓子です。
御霊神社の境内内であれば、道路許可なども必要ないために今回行いました。
結果は、地域の方から「ここ10年で一番賑やかだった」とおほめの言葉をいただきました。
地域の多くの方が無意識に理解している地域の氏神神社。
その維持は年々困難になっています。
ならまちの御霊神社は、県内で最も氏子の多い氏神神社だといわれています。
75町の自治会、3000戸の氏子と俗に言われています。
御霊神社の氏神さまは、先ほど書いた御霊以外にもう一柱鎮座されています。
それは事代主神です。
事代主神は出雲の神様大国主神の長男にあたるそうです。
奈良の旧市街地の中心部は三条通を境に北と南に氏神神社が分かれています。
北は漢国神社です。ここではその大国主神の若い頃の大己貴神が祀られています。
南は御霊神社で、事代主神です。
奈良の旧市街地には出雲系の神様が祀られています。
ちょっと不思議な感じがします。
ならまちにお越しの際にはならまちの氏神神社御霊神社にお参りください。
地域のまちづくり団体が地域の氏神神社を支える時代が来ています。