2020年の大河ドラマ麒麟がくる。
織田信長股肱の臣明智光秀の半生が描かれます。

明智光秀の重臣として著名な家臣に齋藤利三がいます。
明智の家臣団筆頭の家老で明智の槍神といわれていました。
明智光秀の家臣齋藤利三について紹介します。

明智光秀と同じ美濃出身の齋藤利三

齋藤利三は1534年、美濃国に生まれます。
齋藤家は元々足利幕府の奉公衆(直参)で、幕府衰退後に美濃に戻ったようです。
齋藤家は西美濃三人衆の1人で美濃一の大身代稲葉一鉄に仕えます。
この稲葉一鉄。
実は頑固一徹の言葉のモデルといわれている頑固な武将です。
齋藤利三はこの稲葉一鉄と合わなかったようですね。
成長著しい織田家の中で、斎藤利三は明智光秀に主君を変えます。
この当時、主君を変えると、旧主と新主の間で争いが勃発します。

明智光秀は幕府関係者が多く仕える部隊であり、さらに美濃衆も多く仕えます。
齋藤利三にとっては明智部隊が一番居心地がよかったのでしょう。

明智部隊を支えた精強な美濃衆の筆頭家臣齋藤利三

織田家は元々、日本最弱と呼ばれた尾張の兵隊で構成されていました。
しかし、美濃を併呑し織田家は強くなります。
美濃衆は美濃国をまとめた土岐氏を中心に東海一の精強な兵隊を要する国でした。

そんな織田家の美濃衆はいくつかの部隊に分けられます。
明智光秀の部隊の中にも精強な美濃衆が存在し、それが明智部隊を非常に精強にしました。
明智部隊は織田家の部隊の中でも整った精強な部隊という評判でした。
齋藤利三はそんな明智部隊の美濃衆筆頭として活躍し、明智の槍神とたたえられました。

明智光秀の丹波・丹後平定に活躍した齋藤利三

長篠の戦いにおいて東国武田からの脅威が除かれた織田家。
織田信長は京より西北の丹波・丹後の平定を明智光秀に命じます。
この時、明智光秀と細川幽斎は縁組して、共に平定に乗り出します。

丹波征伐は4年に及びます。
その途中途中に織田家に様々な戦争が発生し、そのたびに明智部隊も駆り出されます。
その後、齋藤利三は黒井城城主となり、1万石の所領を拝領しました。

 

齋藤利三による美濃衆の補強が本能寺の変の原因の一つ

そんな斎藤利三は明智部隊を精強にするために美濃衆を増やそうとします。
そして行ったのが、旧主稲葉一鉄の家中からの引きぬきでした。
頑固一徹の稲葉一鉄は、これに激怒して信長に直訴します。

明智光秀は斎藤利三をかばい続けます。
しかし、斎藤利三と那波直治を引き抜くに及んで、織田家の大問題に発展します。
一説によると、本能寺の変の3日前に織田信長が斎藤利三に切腹を命じたといわれています。

本能寺の変の原因はさまざまいわれています。
齋藤利三の件だけではないでしょう。
織田信長は晩年に糖尿病だったといわれています。
信長の命令などに一貫性がなかったような印象があります。

精強を誇った明智部隊と齋藤利三。
そして、その精強な部隊は山崎の合戦で地上から消えました。

 

齋藤利三の娘は春日局

ここに一つ齋藤利三に関する面白い逸話が残っています。
齋藤利三の娘お福は後に徳川政権の重鎮となる春日局です。
齋藤利三の妻は稲葉一鉄の娘。
お福の主人は稲葉一鉄の孫にあたる稲葉正成(自身は養子)。

徳川家光を支えた春日局。
ここに明智光秀に関連する人が徳川政権にいたことが判明しています。
徳川家康にとって明智光秀とはどんな人だったのでしょうか。
しかし、少なくとも、明智光秀にとって斎藤利三という存在は終生最も大事な人物の1人だったのでしょう。

明智光秀の家臣齋藤利三について紹介しました。