出会いのきっかけは奈良新聞
奈良町情報館を開館させた2007年10月5日。
当時奈良新聞記者だった三浦孝仁さんが情報館の開館を記事にしてくれました。
新聞に載ることは非常に嬉しいことで、光栄なことでした。
訪ねてきた老人
その次の日の朝、ある老人が訪ねてきました。
「君が藤丸君か。昨日の奈良新聞を読んだよ。君はここで良いことをしようとしているけれど、奈良は足を引っ張る人が多いので、僕が暫く毎日通ってそんな人が来ないようにするよ。がんばりなさい」
観光協会などにも所属していない学生企業。
多くの人が様々な視点で奈良町情報館の情報を取得したでしょう。
その老人は当時82歳。
何か有無を言わせぬところのある老人でした。
その老人はそれから1週間、ほぼ毎日タクシーで乗り付けて、物語をしてくれました。
奈良のことをそんなに知らない私にはとても新鮮な話の数々でした。
奈良町情報館の大家さんは野崎充亮さん。
野崎さんはその老人のことをご存知でした。
「あの方はなかなかすごい人ですよー」と教えてくださいました。
戦後奈良の観光を作り上げてきた興行師
老人のお名前は谷井孝次さん。
谷井さんのお父様は戦後奈良で最も著名な興行師の谷井友三郎さん。
全国で奈良博覧会を行い、お祭りの香具師を仕切り、映画館やホテルを経営したり、そして奈良市議会議長や観光協会会長を歴任し、クライマックスは平城遷都1250年祭の実行委員長をされたそうです。
戦後奈良の観光を作り上げてきた人の一人でした。
谷井さんはその次男坊ですが兄を戦争で亡くされています。
谷井興業の後継者として奈良観光に尽力されてきた方でした。
そんな方がなぜ、奈良町情報館のお世話をしてくれるのか。
聞いてみました。
谷井さんがお世話をしてくれた理由
谷井さんは谷井さんの父から小さい頃、祖父のことを聞かされていたそうです。
谷井さんの祖父はならまちの北側で観光客に観光案内をして生計を立てていたそうです。
奈良町情報館が開館した記事を読んで、幼少期のことを思い出されたそうです。
70年ほど前に父から聞いた話が新聞を読んでアリアリと蘇ったそうです。
そんな谷井さんとはその後4年ほど、お付き合いさせていただきました。
谷井さんとの思い出は下のブログへ。
http://tadaakifujimaru.com/2017/04/13/post-2487/