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前太宰府市長芦刈茂氏の失職から始まった太宰府市長選挙2018年1月28日。
前市長の芦刈茂氏は太宰府市長選挙へ立候補を予定していたが断念し、楠田氏へ託すと宣言します。
太宰府市長選挙2018候補者楠田・木村の対立構図と問題と展望を思いつくままに書きます。
太宰府市長選挙2018・・太宰府市の問題の根幹
太宰府市長選挙が動いた2015年。
実績をアピールした現職井上氏。
対する芦刈氏は現職の無駄遣いを徹底的に批判。
いわゆるネガティブキャンペーンを繰り返し300票差で当選。
その後、芦刈茂氏は太宰府市長になるが議会から再三の不信任を突き付けられ失職。
太宰府市長選挙は急遽2018年1月28日に開催することに。
私は失職の原因は前回市長選挙のネガティブキャンペーンだったように思います。
太宰府市長選挙2018年立候補者は当初3人
太宰府市長選挙2018に立候補した候補者は当初3名。
前市長の芦刈茂・前教育長の木村じんじ・元国会議員の楠田大蔵。
太宰府市長選挙の問題と課題・・・地方自治体は二元代表制
芦刈氏は議会を解散。
出直し市議会議員選挙で当選した太宰府市議会議員達からの不信任で失職。
芦刈氏は立候補を断念しましたが、それまで終始太宰府市議会を批判してきました。
「市民の投票で当選した市長の意見を聞かない市議会はおかしい。」
しかし、ここには非常に明確な太宰府市の問題があります。
市長だけではなく、市議会議員も選挙で選ばれています。
市民の代弁は市長だけでなく議会も行います。
芦刈氏の発言では自分は市民の代弁者で議会はそうではないと受け取れます。
太宰府市においても、市民の代表は市長と市議会です。
行政側と議会側の対立を解消することが一番の課題
現在、太宰府市における目下の課題は行政と議会の対立を解消することです。
前太宰府市長失職のニュースは前代未聞で全国ニュースになりました。
芦刈氏は対抗馬を立候補させる準備をして議会を解散させるべきでした。
それがないまま、再び不信任をつきつけられて失職した挙句に立候補。
私も全国の行政の方と仕事などでお会いすることはよくありますが、この状況は異常です。
対する議会側は何をするべきなのか。
そして議会側との連携で立候補を表明したのが木村氏です。
ここに芦刈茂前太宰府市長派と議会側との対立構図ができていました。
太宰府市長選挙立候補者楠田大蔵は第3極
太宰府市長選挙2018年立候補者の楠田大蔵氏。
芦刈茂前太宰府市長が12月12日に失職。
木村じんじ氏が12月13日に立候補。
楠田大蔵氏が立候補したのが12月15日です。
一見、順当な動きにも見えますが、ここに一つの課題があります。
楠田氏は太宰府市議会をどうするのか
太宰府市長選挙に立候補を表明している楠田大蔵氏。
それに対して、太宰府市議会議員も応援に入っているそうです。
知己の新聞記者の話では2名が楠田氏・14名が木村氏の応援に行っているそうです。
木村氏は議会からの要望もあったような雰囲気での出馬です。
仮に楠田氏が当選した場合、議会対策はどうなるのでしょうか。
楠田氏は議会批判をすればするほど当選後の道のりは険しくなるでしょう。
楠田氏の公約を見る
楠田氏の公約を見ると、内容は非常にすっきりしていてスマートですね。
読むとなるほどと思うこともありました。
その一方で、議会対策には言及されていません。
一般に公約は市長が掲げますが、それが議案になり通すのは議会です。
楠田氏が当選するとすれば、議会との対立が今の段階で想定されます。
楠田氏は広く市民との対話を行っていく方向です。
そうなると議会を飛び越えるような印象を持ちます。
改革派首長達の現実
2009年、民主党の風に乗って、日本中に改革派市長が誕生しました。
千葉市の熊谷市長・横須賀の吉田市長・奈良市の仲川市長・鎌倉市の松尾市長。
太宰府前市長の芦刈氏は時間のずれがありますが、改革を掲げて当選しています。
そのうち、横須賀の吉田市長は昨年の市長選挙で敗退しました。
鎌倉の松尾市長は議会との対立が尾を引いています。
芦刈氏は議会との対立で失職しました。
改革派首長の弱点は議会対策
改革派は多くの場合、新勢力として既存勢力と対立軸を作って当選します。
市長選挙には勝ったものの議会対策に苦戦します。
それは一つは資金の問題があるでしょう。
改革派の市長の多くは手弁当・ボランティア型の選挙で戦います。
その規模では、市議会に対抗馬を出して選挙を行うことができないんですね。
2006年に当選した奈良県生駒市元市長山下真氏の場合は、市議会に2名ずつぐらい送り込みました。
それで3期目にして、議会の過半数を掌握しました。
市長と議会が連携が取れれば、スムーズに行政は進みます。
しかし、それは対抗馬の主張では市長と議会は繋がっているという主張になります。
物は言いようですね。
楠田氏の公約を確認すると、内容は改革がメインです。
それから、楠田氏の公約を見ると、大きなことを書いていることが多いです。
実際に、それは太宰府市政が行うべきなのかという公約も散見されます。
ちなみに広域行政という言葉が出てきます。
楠田氏は旧筑紫郡が合併して政令都市にしたいという意向があるようです。
行政は広域の方が基本はスケールメリットがあって有利だと思います。
一方で、定義の違う経済状況の町が合併すれば、政策なども中途半端になることが多いです。
太宰府市長選挙2018年の展望
木村氏は自民党・公明党の推薦を取っています。
また、社民党系の福岡県議会議員渡辺みほ氏も応援に入っています。
渡辺みほ氏は前回の市長選で芦刈氏を擁立した人物の一人のようですね。
共産党はどうなのか、わからないのですが、議会動向はほぼ木村氏応援のようですね。
櫛田氏は民進党から希望の党に鞍替えして希望の党も脱退しています。
ここには政党支持の木村氏と改革派楠田氏の対立軸が見えます。
私の住んでいる奈良はずっと馬淵澄夫という民進党の議員が頑張っていました。
しかし、今般、希望の党から立候補して落ちました。
福岡は自民党王国ですね。
結果がとても気になります。
太宰府市長選挙2018の注目点は投票率
太宰府市長選挙の投票率は前回52%。
市民の半分は投票に行っていません。
楠田氏が選挙に当選するには投票率の向上が絶対条件です。
仮に70%を超えるようなことがあれば、楠田氏は絶対的優位性を保つでしょう。
同時に、木村氏は投票率が低ければ団体票があるために有利でしょう。
しかし、問題は木村氏は知名度がないことです。
国会議員と元教育長では知名度に圧倒的な開きがあります。
投票率をいかに上げるかが変革を呼ぶかもしれないですね。
楠田氏は投票率が上がる方法を考えるべきでしょう。
太宰府市長選挙の投票率
2015年の市長選挙の投票率は52%で投票者数は29,698票。
2011年の市長選挙の投票率も52%で28,226票。
2007年の市長選挙の投票率は56%。
投票率があまり変わらなければ、15,000票が勝敗ラインになるでしょう。
仮に投票率が60%を超えると、勝敗ラインは16,800ぐらいになるでしょう。
ちなみに、2007年からの太宰府市長選挙の最多得票は2011年の井上保廣氏の15,906票です。
楠田氏は前回の衆議院議員選挙で太宰府選挙区で13,000票を獲得しています。
国政から市政への転換か楠田氏にとって有利になるのかどうか。
ここにまた参考になる一つの指標があります。
元生駒市長山下真氏の奈良県知事選挙と奈良市長選挙
民主党の改革の波の前に旧勢力を打破して当選した山下真氏。
彼は3期目途中で奈良県知事選に打って出ました。
結果は22万票で28万票の荒井正吾氏に敗退しました。
その際に、奈良市選挙区で67,000票を獲得していました。
その後、山下真氏は奈良市長選挙に立候補します。
その結果、得票は59,000票で次点で落選しました。
私の周囲では県知事選挙だったので投票したと言っている人も多かったです。
選挙を鞍替えすることによる変化はどうなるのか見ものです。
太宰府市民が何を求めるのか
太宰府市は太宰府市民の投票によって変わります。
何を次の4年で決めるかを考えなければなりません。
太宰府市の予算は年間約250億円あります。
4年分で1000億円ですね。
この1000億円の予算をどのように地域で活かすのかが投票で決まります。
選挙において、経済は3年後のため、政治は10年後のため、教育は30年後のためといわれています。
ほとんどの市民が思っている停滞した太宰府市政。
それを再び動かしていくのは改革刷新を掲げる楠田氏か、議会との安定のある木村氏か。
この項では楠田氏のことを中心に書きました。
それだけ楠田氏はある意味太宰府市政への挑戦者として注目しています。
批判よりも明るい未来を語るような選挙にしてほしいというのが太宰府出身者の希望です。
自分には故郷に投票する権利がありません。
しかし、芦刈氏・木村氏には会ったことがあり、楠田氏には会ったことがありません。
選挙の前にその人となりを知っておきたかったとも思いました。
判断するのは太宰府市民の立候補者への投票です。
太宰府市長選挙は2018年1月28日です。