阿部正弘と島津斉彬の相次ぐ逝去。
そこに政治勢力のバランスが崩壊しました。
そしてそのバランスを井伊直弼がさらに壊してしまいます。
せごどん16話の解説感想・幕府が背負った安政の大獄の代償を紹介します。
せごどん16話の解説感想・崩壊した勢力均衡
井伊直弼は幕府最高権力執政者‘大老’になります。
水戸藩主徳川斉昭や福井藩主松平春嶽・宇和島藩主伊達宗城・土佐藩主山内容堂が謹慎や隠居に追い込まれます。
それだけではなく、井伊直弼はいわば崩壊した政敵やその子分たちを抹殺に掛かります。
福井藩主松平春嶽の懐刀だった橋本左内から長州の吉田松陰まで多くの人が命を落とします。
この井伊直弼の決断は、幕府という徳川政権の安定をはかったのでしょう。
しかし、この政変は徳川家の存続の有無に関することでは本来ありませんでした。
外国からの圧力や要求の中で、幕府の立て直しが主題でした。
しかし、ここで井伊直弼が安政の大獄を行った結果、幕府討つべしという考えが社会に起こります。
せごどん16話の解説感想・・斉彬になれなかった吉之助
吉之助は島津斉彬に自分になれと言われます。
しかし、大名としての政治基盤のある斉彬と藩士に過ぎない吉之助。
そこには決定的に違う、立場の差があります。
ここでは吉之助は悔しい想いをしたでしょう。
それが後年、彼をして明治維新を打ち立てさせたのでしょう。
せごどん16話の解説感想・・もともと政権基盤が不安定だった江戸幕府
外国からの圧力と安政の大獄が250年の平和だった幕府の屋台骨を揺らします。
実は江戸幕府の政権基盤は非常に惰弱なものでした。
徳川家の屋台骨となる基礎戦力は2000万石といわれる日本経済のうち400万石・800万石といわれています。
全体の5分の1・もしくは5分の2程度でした。
そこに親藩や譜代大名といういわば与党が合わさっても日本全体の4割程度の支配力だったと言われています。
幕府が危なくなれば、残りの6割は簡単に脅威になります。
実際に島津斉彬などは実力者の一人として幕府の政治に口出しをしています。
幕府を支えてきた筆頭重臣の井伊家から見ると非常に腹立たしかったでしょう。
せごどん16話の解説感想・・幕府権力の根幹は家康の武力だった
この幕府の4割程度の支配率での安定政権の根拠は徳川家康という人の持つ‘武力’でした。
これから幕末は、その武力を充実させた薩摩藩・長州藩が主導していきます。
武力で勝ち得たものは武力で奪い取られるんですね。
井伊直弼は安政の大獄によってそのレースの火ぶたを切ってしまったでしょう。
せごどん16話の解説感想・・幕府が背負った安政の大獄の代償を紹介しました。