昨日、今日と長崎のお客様と奈良観光を行いました。
今日は、三輪町を出発して桜井の長谷寺に行きました。
長谷寺はかつて平安時代に貴族の間で長谷詣が盛んだったお寺です。
実はまだ1度しか訪ねたことがありませんでした。
しかも11年前。まだ奈良に住むなど夢にも思っていなかった頃です。
当時の印象は素敵なお寺だということと本堂からの眺めですね。
眺めがよく、また回廊や石垣も素敵だなあぐらいの印象でした。
一度、長谷寺の僧侶の方とパーティーでご一緒したことがありました。
それぐらいの縁で、11年も来ていませんでした。
今日は麓から、参道を歩き、本堂まで訪ねました。
長谷寺は奈良の原風景
長谷寺を拝観して、あー奈良だなぁととても思いました。
長谷寺は作家の司馬遼太郎さんの話を思い出します。
学徒出陣が決まった司馬さん。
死ぬ前にもう一度大和の風景を自分の目に焼き付けようとしたそうです。
そんな話を思い出しました。
入山料を500円支払って入山しました。
お年寄りは本堂まで無料で車であげていただけます。
受付で相談してください。
素晴らしい回廊ですね。これは大和大工の建築技術の真髄だと思いました。
宮大工建築は奈良が日本一です。これは今もそうではないかと思います。
長谷寺は雨の日も素晴らしい
雨の長谷寺ですが、がっちり頼もしい石垣が出迎えてくれます。
男性は石垣が好きらしいですね。
石垣を見ると、それまでの地域での独自の積み方から穴太衆の野面積み。
加藤清正などが残した切り出した石をきれいに積む方法まで多様ですね。
本堂からの風景です。この景色、私は奈良で最も好きな風景の一つです。
ここでずっとぼーっとしていたいなと思いました。
奈良は昔と違って大事な風景を亡くしつつあると言われています。
しかし、残っている場所には残っています。
奈良は日本人が日本を見つめなおす場所
自分が日本人であることが改めてよかったなと思える風景でした。
この風景を残していくことが、奈良に課せられた使命なのではないかと思います。
よく思うことがあります。
奈良には西大和学園や東大寺学園など進学校があります。
そんな進学校の学生が文化庁などに就職して、奈良の風景を守ってくれないかと。
私はそんなことまではできません。
しかし、奈良の社寺を中心とした地域の風景を守っていきたいと思っています。
会社の目的は地域の活性化ですが、その方法はやはり社寺中心の町の風景の保存なのでしょう。
社寺は税金がかからないために残ります。
しかし、それも人の手がなければ維持できません。
そして、町の風景はすごいスピードで変化しています。
町家はなくなる一方ですね。
それも守っていきながら日本の良さをお伝えしたいと思います。
司馬さんが忘れたくないと思った大和の風景。
今日、やっと少しだけその言葉の意味が分かった気がしました。
今日見た、長谷寺の風景を忘れないようにしたいなぁと思いました。
そして、奈良を訪れる方にも長谷寺を訪ねていただきたいなと思います。
雨の日がいいです。とても良いです。